大判例

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京都地方裁判所 昭和40年(レ)6号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕四、よつて、前記転貸については、黙示の承諾があつたものであるとの控訴人の主張について判断する。

<証拠>を総合すると、つぎの事実が認められる。

すなわち、控訴人は、昭和三一年一二月ごろから、本件家屋のうち被控訴人主張の部分を、訴外伊原康洋に転貸し、同訴外人は、本訴の前提たる調停中の昭和三七年に立退いたのであるが、右転貸中の五年余りの間、右訴外人は、転借部分の屋根に繊維卸商の看板を掲げて店舗を設け、営業を続けたものであり、控訴人方と被控訴人方とは、三〇余年来から軒を並べた隣家同志であるから、当時の賃貸人被控訴人先代西村静子(昭和三五年八月一四日死亡)および被控訴人(昭和一八年一〇月一八日生)後見人西村乃ゑは、右転貸の事実を了知していたのにかかわらず、前記昭和三七年二月四日控訴人に対し本件賃貸借契約解除の意思表示をする時までの間、控訴人に対し何ら格別の異議を述べることなく賃料を受領し、控訴人方家人と懇意に交際を続けて来たことが認められる。

本件のように、家屋賃貸人が、賃貸家屋転貸の事実を知りながら、約五年間異議なく家賃を受領しているときは、賃貸人は、右転貸を、暗黙のうちに承諾したものと解するのが相当である。よつて、以上控訴人の無断転貸を理由とする被控訴人の請求は、その余の事項について判断するまでもなく、理由がない。(小西勝 石田恒良 福島裕)

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